患者さんから質問がありました。
Q:網膜で見ているのですか?
A:いいえ、違います。
網膜の視細胞で受け取った光は電気信号となって、神経を通って脳へ伝えられます。
伝達された情報が脳内で処理されて「見ている」と認識されます。
眼で光を受け取って、脳で認識しているんです。
眼から脳のいろいろな部位へ神経でつながっています。
人間の身体って精密にできています。 すごいですよね✨
「見え方は脳の病気と関連することがあります」
眼に異常がなくても、脳の病気で見え方が変わる場合があります。
当院受診がきっかけで、脳腫瘍や脳出血・脳梗塞などがわかった方もいます。
ただし、脳内の異常がわかるのは、見え方に異常があるなど症状があるときです。
眼の症状や異常がないのに、眼科で脳の病気がわかることはほぼありません。
ここ、間違えないでください。
以前、「眼科で頭の病気がわかると聞いたので来ました」という患者さんがいましたので…
「弱視との関連」
生まれてすぐ、大人と同じように見えているわけではありません。
適切な見え方の刺激が眼に入ることで、脳までの経路を構築し、
眼の機能(視力など)を発達させていきます。
眼の機能(視力など)は、生後から3歳までに急速に発達し、
6歳~8歳頃までにほぼ完成します。
この時期に眼の機能の成長を妨げる要因があると、
一生涯、眼鏡をかけても十分な視力が得られません。
これを「弱視」と言います。
弱視の原因は様々ですが、屈折異常(遠視、乱視)が多く、
斜視なども関わることがあります。
3歳半健診で目の異常が見つかることが多いです。
ただ、異常があっても異常と判定されない場合もあります。
お子様の目について気になることがあれば、眼科を受診してくださいね。
「見える」というのは、眼の働きと脳の働きが必要です。